きたかぜとたいよう✱kodomo to ouchi✱

むずかしいお年頃の娘といつまでも幼い5つ下の息子。そして夫と私と小鳥との日々!

手術用ショーツとパン。

 
「精巣腫瘍の疑い」と診断されて、翌日にすぐ片側の精巣摘出手術を受けることになった夫。


急なことで心の準備をする間もなく、私は入院の準備や仕事の調整、子どもの習い事の調整などいろいろ段取りに追われていました。


両親への報告は、もしかしたら手術のみで終息するかもしれないので、余計な心配はできるだけ掛けたくないという夫の意思を受け、まだ伝えないことに。


子どもには、お腹にできものができて簡単な手術で取ってもらうと伝えました。

息子はなんとでもなりますが、6年生の娘はもしかしたら追求してくるかもしれないなと思い、その時は胃潰瘍とでも言えるように。

お父さんががんだなんて聞いたらきっとショックが大きいでしょうから…。


そして、パパの入院のことばあばにはまだ内緒にしててねとお願いしました。
ちょうど夏休みで、自転車で行ける距離の私の実家へ子ども達だけで行くことも時々あったので。


夏休みにばあばの家に一度泊まりたいと前々から子どもたちが言っていたので、手術の日泊まらせてもらうようお願いしました。



いろんな段取りを片付け、手術の朝。


2人で病院へ向かいました。


手術前の問診や簡単な検査、そしてまずは入院する病室へ入ることになりました。

大部屋希望でしたが、手術当日は個室に入る事になっているらしく、シャワーやトイレがついていてソファベッドもある広い個室に通されました。
贅沢な感じですが、広いスペースの真ん中にベッドがあり、とても無機質でなんだか落ち着かない部屋でした。


担当の看護師さんが手術の時着用するショーツの説明や、腰椎麻酔の説明、入院中の注意事項やら同意書などの書類を持って来たり、手術前の点滴を入れに来たり、何度も出入りがありました。

朝から入りましたが、夫は絶食だったので昼食もとれず、私も食べずにいると「食べといでや」と言ってくれたので、手術用ショーツを買いに売店へ行ったついでにパンを1つ買って食べました。



手術の間、1人でどうしてよう…。



父の長い手術待ちを何度か経験しましたが、その時は母と兄が一緒でした。


今回は1人で夫を見送って、1人で待って、1人で迎えないといけません。



こころぼそい。



娘から「パパだいじょうぶ?」といつもの短いメールがありました。


手術着に着替えてしばらく待つと、先生から連絡があったので手術室へ向かいましょうと看護師さんが迎えに来てくれました。


ベッドで横になって運ばれ、手術室前でバイバイかと思っていたら、
「じゃあ、奥さんはこの部屋でお待ちください」
と部屋に残され、夫は看護師さんと歩いて行きました。


「がんばってね!」


と後ろから声をかけると、振り返って手を振ってくれましたが表情は不安そのもの。


きっと私も同じような顔をしていたと思います。




笑顔で勇気づけないといけないのに…。