きたかぜとたいよう✱kodomo to ouchi✱

むずかしいお年頃の娘といつまでも幼い5つ下の息子。そして夫と私と小鳥との日々!

10万人に1人のがん。


 夫の睾丸が片方腫れている。
ネットで症状を検索してみると精巣腫瘍(精巣がん)かもしれない。

私はその夜、眠れずずっと精巣がんについて調べまくっていました。
もしかして違う何かではないか??と思いながら。
夫は同じように眠れない夜を過ごしていましたが、怖がって情報収集はしていませんでした。


翌日、総合病院の泌尿器科の診察室にまず夫1人で入りましたが、すぐに私も看護師さんに呼ばれました。
その瞬間、やっぱり…と思いました。


診察室に入ると、診察台の上であぐらをかいてうなだれている夫がいました。
顔も青ざめていました。

先生の説明は、昨晩ネットで何度も読んだことばかりでした。
夫は顔面蒼白でうなだれていましたが、私はネットからの予備知識で、精巣がんは治るがんだと理解していたので、夫に代わって落ち着いて話を聞きました。

悪性腫瘍の疑いであること。
すぐに手術して精巣をとる必要があること。
10万人に1人の珍しいがんであること。


そして、根治可能ながんであること。


タイミングよく、受診の翌日に手術の予約を入れてもらえたので、その日は手術前の検査を一通りしてもらいました。
血液検査、尿検査、心電図、呼吸器機能の検査、レントゲン…

根治可能とネットでも見たし、先生もそう言っていました。
でもやはり胸の中は不安で押しつぶされそうでした。
私でそうだったんだから、メンタルの弱い夫はもっと不安だったに違いありません。

ネットで見た闘病患者さんの奥さんみたいに、私も強い気持ちで励ましたり笑い飛ばしたり明るくしていよう。
そう思いました。

検査のため広い病院内のあちらこちらへ移動する時、お互いに不安でずっと手を握っていました。


一通りの検査を終えて病院の駐車場で車に乗り込み、2人になった途端、心細さが増して…2人で泣いてしまいました。
夫が泣いたら笑って励まそうって思っていたのに、一緒になって。(;_;

今日だけにするから許して、って思いながら涙を流しました。


次の日の予定は昼からCTで、手術して入院。


子どもたちになんて言おうかな…

夫や私の両親にはいつ報告しようかな…

仕事の調整どうしようかな…

手術って費用はどのくらいなのかな…

保険どうなってたっけな…


夫の身体を1番に心配したいのに、それ以外の不安もたくさんあって、泣いてる場合じゃないと改めて思いました。


とにかく無事に手術が済みますように…
この一晩の間にがんが進行しませんように!


そう祈るしかできない夜でした。