きたかぜとたいよう✱kodomo to ouchi✱

むずかしいお年頃の娘といつまでも幼い5つ下の息子。そして夫と私と小鳥との日々!

精巣がん。術後の3択。①

 

  摘出した精巣腫瘍の病理検査の結果が出たのは、退院した翌週でした。

 

私も夫も、もうほぼ悪性腫瘍だろうと思っていたので、悪性か良性かということよりも、進行の程度や転移がないかどうか、今後の治療がどうなるのかが1番の気がかりでした。

 

結果はやはり悪性。

 

精巣がんには、大きく分けてセミノーマと非セミノーマがあり、夫はセミノーマでステージIでした。

それは、比較的予後の良い、また進行していたとしても放射線抗がん剤治療に良く反応する、根治しやすいがんの種類だとネットでも見ていたので、セミノーマである事を祈っていた私はとりあえずホッとしました。

 

夫は相変わらず現実逃避を続けていて、私ほど情報を得ていなかったので、診察室を出てから「セミノーマって何なん?」と私に聞いていました。

自分の病気のことなんやからもっと自分でも勉強したら?と思っていましたが、まだ受け止めきれないのかな…責めたらかわいそうかな、と我慢しました。

 

この夫の現実逃避がその後も私を時折いらつかせるのですが…。

 

 

主治医の、手術を執刀して下さった泌尿器科の先生は、ご年配の見るからにベテランな風格でそれは安心なのですが、いつも言葉少なく淡々としていて、質問もなんだかしにくくて診察はあっという間に終わります。

 

手術の時もそうでした。

術後、何も先生からお話を聞く機会はなくうまくいったのかどうかもわからなかったし、入院中術後の経過はどうなのかを聞く事もありませんでした。

本人が元気そうだったので心配はしていませんでしたが、やはり不安は感じていました。

 

退院後、病理検査の結果を聞きに行った時も最小限の説明のみ。

最小限どころか、その時もらうべき血液検査の結果もこちらから聞かないと出してくれないくらいでした。

 

そして、提示された今後の3択。

 

・何も治療せず経過観察

・予防的な放射線治療

・予防的な抗がん剤治療

 

3択でしたが、先生の話は放射線をするものだという感じで、私たちは言われるままその日は放射線科の診察予約を入れて帰宅しました。

 

そして、次の診察までの数日間、図書館で放射線治療についての本を借りて読んだり、ネットで調べたりして勉強しました。

現実逃避の夫にも、どんな副作用があるかなど、治療が始まってからくじけないように読んでもらうよう勧めました。

 

 

すっかり放射線治療をするつもりになっていた私たちでしたが、放射線科の先生と出会って、今後の治療について一旦立ち止まってじっくり考える事になるのでした。