きたかぜとたいよう✱kodomo to ouchi✱

むずかしいお年頃の娘といつまでも幼い5つ下の息子。そして夫と私と小鳥との日々!

セカンドオピニオン。

もう一度腫瘍内科へ訪れた時は、私たちの中で1番目の選択肢『何もせずに経過観察』は消えつつありましたがまだ迷っていました。
放射線科も抗がん剤も、リスクはあるし副作用の心配など不安を挙げるときりがありませんでした。
でも再発や転移にもっと恐怖を感じていたからです。

迷い続けている私たちに、腫瘍内科の先生はセカンドオピニオンを提案してくれました。
有名ながん専門の病院から、近くの公立病院の放射線科へ来られている先生がいるとの事で、紹介状を用意して下さいました。


悩む私たちに主治医が苛立っている事もあって、この病院に足を運ぶ事が億劫になっていた私たちは迷いなくすぐにセカンドオピニオンの予約を取りました。


数日後、紹介状とデータを持って車で15分程のところにある公立病院へ。
雰囲気は前の病院より温かみがあり開放的で、何より私が下の子を出産した病院だったのでなんだか安心感がありました。

ここでも放射線科はやはり地下の奥まった位置にあり、薄暗くて空気が重たく感じました。

問診を書いて待っていると、放射線治療に来ている患者さんが慣れた様子で看護師さんと話しながら鉄の扉の中に入って行きました。
レントゲンでも撮るような、なんでもない事のように入って行く、そんな風に見えました。


しばらくすると診察室に呼ばれました。
白髪で、ゆったりと構えた感じの先生で、もう好印象でした。
データを見ながら、私たちの話をゆっくりと聞いて下さいました。
途中先生の携帯が鳴り、会話から前の病院の腫瘍内科の先生だとわかりました。
しっかり連携を取って下さってることもすごく安心に繋がり、腫瘍内科の先生にも改めて感謝でした。

ベテランなのにベテラン振らず、私たちの質問に正確に答えるためにすごく分厚い医学書を何度も開いては調べ、考え、ゆっくりと話して下さいました。

まず、何か治療するべきかのところで前に進めない私たちに、じっくり考えてからこう仰られました。


「僕なら、、、そやな〜、放射線抗がん剤かどちらかはやるかな。」


その一言でほぼ私たちの気持ちは治療することを決めました。
そういう意見がほしかったのかもしれません。
お医者さんの率直な意見です。
指示ではなく。

もう経過観察という選択肢はほぼなくなりました。


それから、放射線被爆による発ガンの不安について、医学書上は10%となっているが、自分の経験上放射線治療が原因で新たながんになった人は見たことがないのでこの10%という確率を自分は信じていないこと、夫のように予防的に放射線治療をする場合、放射線量はすごく少ないのでまずその心配はないことを話して下さいました。

もう一つ、もしすでに離れた場所に転移があった場合(精巣がんは肺に転移しやすいと前に聞いていたので)、精巣と繋がるリンパ節に的を絞って当てる放射線治療では意味がないのでは…?やはり全身に行き渡る抗がん剤が安心なのでは…?という不安については、CT画像からまずリンパ節に転移がないので、今の段階でどこか遠くへ飛んでいる事は考えられないとの見解でした。

抗がん剤のことは自分の意見だけではなく、その場で専門の医師に電話をして、夫のケースでの抗がん剤治療についてをさらに詳しく聞いて下さったり、本当に長い時間をかけて私たちの不安に一つずつ向き合って下さいました。


今までわからない事だらけで答えを簡単に出せずにいましたが、いろいろな不安がポロポロと剥がれ落ちていくように、私も夫も答えに導かれていきました。



この先生のもとで放射線治療を受けよう。